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普通学級で学ぶことになりました。
一年生は、経験豊かな年配の先生に受け持って頂くことになりました。参観日のときなどは、一番苦手な本読みも順番がくれば読んでいました。そのころの発音は、まだまだおかしかったと思います。それでも声を出して読み終わると、クラスの皆さんが手をたたいてくれました。卑下しないようにという先生のご配慮をとても嬉しく思いました。
高学年からソフトボールをするようになり、クラスや地区の試合ではいつもピッチャーをやっておりました。指の骨折をしたこともあります。それでもくじけずに頑張りました。こうして仲間づくりにも、一人孤立することもなくやってこれました。
中学校も、桜井中学校へ進みました。机の席だけは、いつも中央左側の前から二列目で、先生の口形が分かりやすく、黒板の字も分かりやすい席にして頂きました。
人権作文では「障害に負けず頑張ろう」という内容の文を書いて、いつも賞を頂いていたようです。ところが、日本語と違って初めて中学では英語があるのです。これは今までに、習ったことがありません。口話法でも違うのです。それは大変だったので、英語の成績が一番悪くなってしまってはどうしようと困って、山根先生に相談し家庭教師に来て頂いたこともあります。
本を読ませて、「発音の悪いところを指摘して頂く」それのみをお願いしました。こんな様子を見ていたひとみの姉が、「人間って発音が大切だな」といった短い文でしたが、新聞に載せて頂きました。やはり姉が一番よき理解者であり力強い協力者です。

 

 

 

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